日本の火葬率が高い7つの理由と海外の火葬事情を調べてみた

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日本の火葬率が高い7つの理由と海外の火葬事情を調べてみた

葬送の方法として、火葬、土葬、水葬、鳥葬、風葬などがあるが、他に野ざらし葬、洗骨葬、冷凍葬、宇宙葬、鍋かぶり葬、エンバーミング(遺体衛生保存)などもある。印象に残っている葬法は2011年にアルカイダの指導者でアメリカ同時多発テロの首謀者ウサマ・ビン・ラーディンがアメリカの特殊部隊に殺害された後、アラビア海に水葬にされたシーンだ。地上に埋葬するとそこが聖地になることを恐れたとのことである。

■種々豊富な葬送

鳥葬はチベット仏教やゾロアスター教で行われており、遺体を鳥葬台に置き、ハゲワシに啄みさせる残酷とも思える葬法だ。社会主義国ではレーニン、ホー・チー・ミン、毛沢東、金日成などはエンバーミングで遺体保存され、廟に安置され一般に展示されている。

日本では、私は神道、仏教、キリスト教の葬儀に参列したが、すべて葬送方法は火葬であった。ある葬祭業者の社長も火葬ばかりで、一度は土葬に立ち会ってみたいと言っている。日本の火葬率は2017年でなんと99.97%とほぼ100%で世界最高である。残りの0.03%は土葬である。なぜ日本の火葬率はこんなに高いのだろうか。

■海外の火葬事情

2018年イギリス火葬協会発行の資料(注1)によれば主な国の火葬率は(2016年、2017年)アメリカ51.55%、イギリス77.05%、ドイツ62.00%、フランス39.51%、イタリア23.90%、カナダ70.50%、ロシア9.87%、台湾96.76%、香港93.30%、韓国84.19%、タイ80.00%などとなっている。火葬場の数の多少も関係するが、宗教の違いによっても火葬率は異なる。キリスト教は「死者の復活」を信じているので、土葬が主流だった。イタリアでは火葬推進家に無神論ないし反カトリックの人が多かった。これを理由にカトリック教会が1886年、1892年、1897年、1926年の4回にわたって火葬禁止令を繰り返したので、イタリアの火葬は低迷した。1963年にカトリック教会が火葬を解禁した後も、イタリア、フランスなどのカトリック国と東方正教会国のロシアの火葬率は低いままである。プロテスタント国のイギリスは高い。アメリカはリベラルな州は高く、保守的な州は低いようだ。

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