「待ってても誰も迎えにきやしない」
高校2年の冬、恋愛に対する受け身の姿勢を早々に崩すことになった。
■星降る夜に迎えにきて!
私にとってのラブソングといえば、フジファブリックの『星降る夜になったら』。
大半の歌詞の意味なんてどうでもよくて、「星降る夜になったらバスに飛び乗って迎えにいくとするよ」という一節と、疾走感さえあれば女子高生の私的にはOKなのだ。
なにせ、恋愛真っ最中で、何を聴いたってほぼ同じ。幸せに聴こえる。
それでも、何度でも繰り返しこの曲を聴き「彼がいつか私を迎えにきてくれる」ことを信じてやまなかった。
■彼とのラブライフ
そもそも彼を好きになった理由なんて今となっては思い出せない。通学電車で会う以外の接点はなかった。それでも、毎朝見かける彼のことが、なんとなく、でも確実に好きだった。
そして、びんびんに感じとり、信じていた。
「彼と結ばれる未来」を。
そんな彼との一番の思い出は、全国高校サッカー選手権の予選。サイドバックを務める彼の勇姿を一目見たいと、学校をずる休みして会場に駆けつけた。
愛あるが故の突っ走った行動が学校にばれ、高校卒業までの約1年間毎日反省日記を書き続けたのは、忘れようにも忘れられない。
ただ、そんな楽しい高校生活も長くは続かない。事件が起こる。
■フクダ、カノジョ、デキル
彼は私と結ばれる運命であったはずが、いつの間にか彼女ができていた。
その日もいつも通り某ファミレスでのバイトを終えた私は、『星降る夜になったら』を聴きながら、自転車をかっ飛ばしていた。
自宅まで約15分。3回はリピートできる。田舎の夜は空気が澄み切り、星が本当に降ってきそうだ。
その時、「ブブッ」と携帯電話のバイブレーションが響く。友人からの連絡だ。