Manuel Gabler/NIKU
ノルウェー西部、旧エドイの町近くの農地に、バイキング時代の船が埋まっていることが地中探知レーダーによってわかった。
この船は、当時のノルウェーの有力者を埋葬するための棺として使用されていたものと思われる。近くには、複数の杭穴の跡が残っていて、それがふたつの共同住宅のようなものの輪郭をうっすらと描いていた。
この発見は、古代の造船法やノルウェーの葬儀について豊富な情報を与えてくれることだろう。
・農地に残された墓塚の名残
船の輪郭が、レーダー画像にはっきり浮き上がっていた。かつての墓塚をとり囲んでいた溝の名残がまわりにぐるりとあるのがわかる。
「これは、墓塚のごく一般的な特徴です」ノルウェー文化遺産研究所(NIKU)の考古学者ダグ=オイヴィン・ソレムは言う。
「シンボル的な意味に加え、まわりの溝は塚を実際よりも大きく見せるための実質的な機能もあったのではないかと考えられています」
Manuel Gabler/NIKU
・バイキング時代の遺物
数世紀前に、農夫の鋤が塚を壊し、まわりの溝が崩れた土で埋まってしまったが、その土がまわりの地面よりも湿り気があったため、レーダーに陰影の違いが反映された。
レーダー画像には、バイキング時代の遺物の完璧な特徴である、円の中の船の輪郭が偶然にはっきり写っていたのだ。