ワインを開栓したら、コルクにきらきらした何かが付いていた。そんな経験をした人はいるだろうか。
コルクに付着した赤ワインの酒石(写真はWikipedia Commonsより)
まるでルビーのように赤く光っているのは、「酒石」という結晶。「ワインのダイヤモンド」と呼ばれることもあるという。
こんなコルクを見つけたら、捨てずに取っておきたい、と思う人も少なくないだろう。ツイッターで検索してみると、酒石が付いたコルクに感動している人が散見される。
この結晶はどんな条件で形成されるのだろうか。Jタウンネット編集部は2019年12月24日、栃木県足利市でワインを醸造するココ・ファーム・ワイナリーを取材した。
古い上質なワインに多い「酒石」同社の広報担当者によると、酒石は異物ではなく、ブドウに含まれる「酒石酸」とミネラル分が結合してできる結晶。どんなワインにもできるが、ミネラル分が多く含まれるワインほど多くの酒石が出る傾向があるという。特に、古い上質なワインなどでよく見られるそうだ。
コルクの裏に結晶が付着するのは、瓶詰め前に結晶化せず、なおかつ瓶の中でワインとコルクが接した状態で保管された場合だという。
「結晶は時間とともに大きくなります。はじめは砂のような小さな粒が段々と大きくなっていきます。不純物がなければ透明な結晶に見えます」
と担当者。時間経過だけでなく、冷却によって酒石が結晶することもあるという。
オリ(ワインの成分の一部が沈殿したもの)のない白ワインは透明の結晶、ややオリのある白ワインは白っぽい結晶、赤ワインには赤黒い結晶ができるそうだ。
酒石を除去してからワインを販売するワイナリーもあるが、ココ・ファーム・ワイナリーでは酒石の除去はほとんど行なわずにワインを造っている。酒石を除去すると、味とワインの性質の変化があるからだと担当者は話す。
「酒石を除去すると、酸味(酒石酸)とミネラル分(カリウム)がワインの中から、わずかですが減ってしまいます。どの程度かは微妙ですが。
ワインの性質も、酸が減ることにより、ワインのpHがわずかに上がってしまいます。