〈企業・経済深層レポート〉 久美子社長続投は悪手 ヤマダ電機へ“身売り”した大塚家具の不安要素

| 週刊実話

 大塚家具の抱えていた資金繰り問題に、とうとう終止符が打たれた。大手家電量販店「ヤマダ電機」が約44億円の資金を投じ、大塚家具の株式を50%以上取得して子会社化。実質、ヤマダ電機に“身売り”したのだ。

 この朗報に大塚家具の株式に買いが殺到。一時ストップ高になるほどだった。しかし、多くの専門家は「不透明感がぬぐいきれたとは到底思えない」と、大塚家具再建に厳しい見方をしている。一体、どういうことなのか。

 まず、大塚家具の盛衰史を簡単に振り返ろう。1969年に創業した大塚家具は、高級家具をそろえた会員制モデルと、住宅ブームによって業績を伸ばした。

「日本の’60年代に始まった高度成長期では、国民は一戸建て新築住宅、新築マンションをこぞって購入していました。国交省統計でも’65年頃に80万戸前後だった新築住宅件数が、’73年には190万戸と倍増。大塚家具は、その恩恵に預かり急成長したのです」(不動産業界関係者)

 ところが、2008年にリーマンショックが発生したことで’09年の新設住宅着工数は41年ぶりに100万戸を割り、その後も100万戸を割り続けている。リーマンショック後の不況に歩調を合わせて、大塚家具の業績が悪化。ニトリといった低価格家具開発の新星企業の躍進も大きなダメージとなる。

 そのため、高級路線を追求する創業者の大塚勝久氏と、会員制撤廃で大衆志向を模索する娘・大塚久美子氏が対立し「お家騒動」に発展してしまう。

「久美子氏が勝ち、’15年に社長に就任しましたが、業績は改善せず、’07年に727億円あった売上高は、’18年に373億円と半減。資金繰りに苦しみ、破綻寸前まで追い込まれてしまったのです」(同)

 そこに「白馬の王子様」として現れたのが今回のヤマダ電機だ。

 救世主が登場したわけだが、厳しい見方をする専門家の声が多いのはなぜなのか。

 その理由を全国紙経済部記者は「三つの大きな不安材料が消えていないからです」と指摘する。

「一つはブランドイメージの低下です。久美子社長が就任したことで、高級家具を購入していた層が離れてしまいました。

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