新型コロナウイルスの影響により、大会の延期・中止が危惧されている東京五輪。先月26日には公式な発言ではないものの、国際オリンピック委員会(IOC)の委員の一人が「5月下旬までに終息しなければ中止も検討するだろう」とコメントしたことが複数メディアによって報じられた。
過去に五輪が中止となった例は、日本で初めての五輪になる予定だった1940年の東京大会を含め夏季・冬季合わせて5例。ただ、この5例はいずれも第2次世界大戦をはじめとした戦争の影響で中止となっており、疫病を理由に中止となった事例は過去に存在しない。このことを考えると、東京五輪には“戦争クラス”の危機が迫っているともいえるのかもしれない。
ただ、過去の大会を振り返ると中止の危機が迫っているとされた中、当初の予定通りに開催された大会がいくつかある。
直近の例といえるのが、2018年2月9日~25日に韓国で開催された平昌冬季五輪。この大会は当初から資金不足、競技施設の工事遅れといった不安材料があり、各国メディアは「開催に黄信号」とたびたび指摘。さらに、開幕が近づくにつれアメリカ・北朝鮮間の情勢悪化や、ドーピング問題によるロシアの参加禁止といった問題も噴出したことにより、2017年末ごろまでは中止の危機と見る向きがあった。
しかし、IOCは特に中止等の可能性には言及しなかったため、平昌五輪は予定通りに開催。ただ、開幕後も選手・スタッフの間でノロウイルスが蔓延したり、天候不良で一部競技が中止・延期になるなど災難続きの大会だった。
今回の東京五輪と同じく、疫病に脅かされたのが2016年8月5日~21日にかけてブラジルで開催されたリオデジャネイロ夏季五輪。この大会は平昌五輪と同じく会場建設の遅れが不安視されていたが、それ以上に危惧されていたのが蚊が媒介する感染症である「ジカ熱」。妊婦が感染すると子供に先天異常が生じる危険性もあるこの病気の流行により、各所で大会延期や開催地変更を求める声が開催3カ月前頃まで相次いでいた。
ジカ熱の流行を受け、2016年2月には世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言。
東京五輪、新型コロナによる中止はない? 資金難、疫病、ボイコット…過去の中止危機はいずれも杞憂に
2020.03.01 11:00
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