横浜流星「シロクロ」、謎ばかりが残るも視聴者受けが良かったワケとは?

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横浜流星「シロクロ」、謎ばかりが残るも視聴者受けが良かったワケとは?

 横浜流星と清野菜名がダブル主演したドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(日本テレビ系)が3月15日に最終回を迎え、視聴率8.4%で幕を閉じた。終わってみれば初回の9.5%をピークに平均視聴率は8.1%と物足りない結果に終わったものの、前クール「ニッポンノワール」の6.9%は上回り、制作局の読売テレビもなんとか体面を保った形と言えそうだ。

 その「シロクロ」では当初、清野の演じるミスパンダと横浜の演じる飼育員さん(横浜)が、グレーな事件に白黒をつけていく痛快アクションドラマの体を取っていた。それを縦軸に、警察官だった父親を殺害された横浜の復讐劇、そして放火事件で亡くなった双子の妹と人格を入れ替えられた清野の自分探しが折り重なり、すべての謎に白黒をつけることで大団円を迎えると予想されていたのである。

「ところがふたを開けてみれば、復讐も自分探しにも一応の決着はついたものの、最後は精神医学を学ぶ横浜が清野の記憶ばかりかみずからの記憶すらも消し去り、二人が惹かれ合っていた過去を抹消。それも含めてあらゆるディテールがウヤムヤにされ、白黒どころかグレー一色に塗りつぶされたのです。この日曜ドラマ枠では物語の背景や伏線を探る“考察”に没頭する視聴者が多いものの、本作ではあまりにご都合主義な設定が目につき、途中から考察を放棄する視聴者も少なくありませんでした」(テレビ誌ライター)

 最終回の冒頭では、誤って清野の腹を刺してしまった横浜が入院中の清野を毎日見舞っている様子を放送。しかし普通なら腹を刺された患者が担ぎ込まれたら病院が警察に通報するはずだ。また、横浜の父親を射殺したのは佐島源造議員の長男だったが、なぜ拳銃を持っていたかの説明は皆無。そして囲碁棋士の少女である清野が、ミスパンダになるとなぜ警察官にも勝つほど格闘術に長けているのかの理由も不明で、最後まで多くの謎が回収されないままだったのである。

 にもかかわらず、視聴者からはディテールの甘さを問題視する声はほとんど聞かれず、記憶を消された横浜と清野がパンケーキ店で隣同士に座るというラストシーンにときめく者も続出。消化不良とも言える最終回になぜ、さほどの不満が出ないのだろうか。

「視聴者が満足した理由は二つありそうです。

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