2008年の再来かもしれない。
開幕戦の再延期が決まり、巨人・原辰徳監督は主力選手の「個人調整」を決めた。
「4月24日の開幕戦を目指すと言っていますが、3月26日に阪神の藤浪晋太郎投手がPCR検査を受けて陽性反応が出て球団が1週間の活動休止になった影響などで、もっと遅くなる可能性もあります。仮に24日に開幕できたとしても1カ月近くも空くので、キャンプをやり直すようなものです」(スポーツ紙記者)
オープン戦最下位の巨人にとって、“キャンプの仕切り直し”はプラスに転じるはず。近年、オープン戦最下位に沈んだチームはペナントレースでも低迷した。オープン戦最下位でリーグ優勝したチームは2008年の巨人まで逆上らなければならない。しかし、まさにその“08年再来の予兆”が、最後の練習試合(3月25日)で見られたというのだ。
「原監督が求めていた左のセットアッパーが見つかったのです」(球界関係者)
その投手こそ、移籍2年目の藤岡貴裕投手。1点リードの9回から登板し、打者3人を無失点に抑え込んだのだ。原監督以下首脳陣は、そのテンポのよさに「リリーバーの適性」を察した。
藤岡といえば、1位指名された11年のドラフト会議当初から「球界を代表する左腕になる」と大きな期待を寄せられていた。その後、好成績は残せず、トレード放出されている。巨人が3球団目となるが、移籍の時に出ていたのは「惜しい逸材。もったいない」の言葉。当然、巨人も藤岡のまだ眠っている才能を惜しんでの獲得だったが、昨季は一軍戦力になれなかった。
そんな藤岡に今年、首脳陣が大きな期待を込めてイメージしているのが「08年の優勝の立役者」。左の中継ぎである山口鉄也(現三軍投手コーチ)である。
同年の山口は67試合に登板。その後、2016年まで9年連続で60試合以上に登板という鉄人記録を樹立させ、通算273ホールドの記録も打ち立てた。当然、原監督の信頼も厚く、3度目の指揮官登板となった昨季から背番号47の後継者を探していた。
「昨季は左腕の吉川(現・日本ハム)の背番号を47番に変えました。