海外の治験ツアー後に惨殺された日本人女性、現地で隠された類似事件の謎とは【未解決事件ファイル】

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 1986年、ドイツのフライブルクで行われた治験ツアーに参加した、当時22歳の日本人女性Aさんが何者かに殺害される事件が発生した。現地では1982年と1985年にも、治験ツアーに参加した女性のそれぞれ一人が、バラバラ死体となって発見されており(後述)、わずか4年の間に3人も殺害されたことになる。日本の警察庁は、ドイツの現地警察や関係各国と捜査協力をして犯人を捜索したが、2020年5月現在も捕まっていない。

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 Aさんが参加した治験ツアーが始まったのは、1986年5月20日。Aさんを含む5人の女性が、日本人女性を対象としたドイツで行われるピルの治験ツアーに参加するために成田空港を出発した。5人は6月9日から9月12日までの間、ドイツのフライブルク市にあるホテルに滞在しながら、治験要員として過ごしたという。
 治験終了後、Aさんはすぐに帰国せず、9月17日にイタリアへ入国してローマやヴェネツィア、26日にオランダのアムステルダム、27日にデンマークのコペンハーゲン、29日にスウェーデンのストックホルム、30日にノルウェーのオスロ、10月3日に再びスウェーデンのストックホルムと、欧州各国を旅したことが確認されている。10月4日にはフィンランドのヘルシンキに入り、そこで「これからコペンハーゲン経由で南ヨーロッパに旅行する」と家族に手紙を送った。これ以降、Aさんの足取りは掴めていない。

 遺体が発見されたのは、同年10月31日。デンマークのコペンハーゲン港で、タクシー運転手が海面に漂っていたプラスティック製のバッグを発見した。中身を調べると、なんと人間の下半身や脚の一部が詰められており、タクシー運転手はすぐに地元警察へ通報。デンマーク警察は港と周辺の海中を徹底して捜索を進めた。その結果、残りの頭部や腕も見つかり、11月7日までに遺体の全体が揃う。
デンマーク警察は、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて各国に遺体の特徴を手配した。そして、翌年6月に日本の警察庁が遺体と特徴が似ている女性を捜索願のリストから発見。

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