海外の治験ツアー後に惨殺された日本人女性、現地で隠された類似事件の謎とは【未解決事件ファイル】 (2/2ページ)

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指紋照合が一致したため、遺体がAさんであることが確認された。
 
 当時、日本国内ではピルが販売されておらず、ピルを対象にした治験も認可されていなかった。そのため、日本国内の一部業者が口コミで大学生などを対象に治験ツアーを募り、西ドイツに学生を定期的に派遣していたという噂もあったが、業界関係者はこの治験ツアーの内容に疑問を感じたという。「なぜ多額の費用をかけてまで治験ツアーを行うのかよくわからない」「海外の製薬会社が治験を行う場合は、国内の大手製薬会社や大学に依頼するのが通常であり、日本の女性をわざわざ海外に連れ出すなど、いまだかつて聞いたことがない」。

 一方、1986年以前にも治験ツアー絡みの類似事件が発生していた。国籍不詳の外国人女性2名が、1982年と1985年に欧州の女性を対象とするフライブルク市内で行われた治験に参加したあとにバラバラ死体となって発見。この治験ツアーを企画した会社は、Aさんが参加した治験ツアーも企画している。なお、会社側は「被害にあった日本人女性が治験を受けていたのは事実だが、治験終了後はいかなる形の接触も持っていない。他の2名の被害女性に関しては治験を受けた事実はない。従って、一連の事件は当社と一切無関係である」との声明を出している。

 その後、捜査機関による懸命な捜査が行われたが、事件は現在も解決していない。短期間で、治験に参加したと思われる女性3人が相次いで殺害されたこの事件。Aさんは偶然にも殺人犯のターゲットにされたのか、それとも何か理由があって殺害されたのか。警察と治験企画会社の説明が食い違った理由や、どちらが正しかったのかも分からないままである。

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