男女それぞれの役割やらしさが求められがちな法事法要とLGBT

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男女それぞれの役割やらしさが求められがちな法事法要とLGBT

法事に行きたがらない女性は、現代ではごく一般的になっている。とくに結婚していて、夫側の法事には絶対に参加したくない…と考える妻は多い。その理由として姑と折り合いが悪いことが多く挙げられるが、女性らしい服装をして女性として参加することが難しいといったLGBTの事情があるケースも少なくない。今回はLGBTと法事法要について、当事者である筆者の知見も踏まえて考えていく。

■冠婚葬祭におけるLGBTの肩身の狭さ

LGBTとは、セクシャルマイノリティの総称を指す。親世代が主導する冠婚葬祭の催しにおいて、男らしさや女らしさを避けて通ることは難しい。そのため、身体は女性でありながら性自認(心の性)が女性以外であった場合、服装選びに苦しむことが多い。

また、お茶出しなどの女性が担当することになりやすい仕事を嫌がる女性は多いが、性自認が女性でない場合は余計に苦痛に感じてしまうのは想像に難くない。

その上、親世代はLGBTに理解がない場合も多いため、ほとんど面識のない夫の親戚に堂々とカミングアウトできる人は少ないだろう。このように、LGBTの女性は、冠婚葬祭で非常に肩身の狭い思いをすることが多いのだ。

■パートナーの適切な対応

例えば妻がLGBTであり、夫側の法事に行きたがらない場合はどうすればいいか。最も重要なのは、やはり出席を強要しないことだろう。自分の家のことは自分の家だけで執り行う、これだけで妻の負担は少なくなる。

もし妻が「LGBTであることを話してもいい」と考えているのであれば、夫が一人で親族に相談することも選択肢の一つだ。夫が一人で話すことが重要で、もし親族がLGBTに対する差別的な発言をしても妻の耳に入れずに済むからだ。

親族が妻の事情を受け入れ「女性らしさ」を強要しないと分かったならば、親交を深める機会を得られるかもしれない。逆に理解を得られなければ、法事には夫一人で行くという決断が望ましい。

つまるところ、妻がLGBTであり法事を嫌がっているならば、親族との関係が良くなるか悪くなるかは夫の立ち回り次第といえよう。

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