企業の財務状況だけでなく、経営戦略や将来性まで、ありとあらゆることを読み取ることができるのが「決算報告書」である。だからこそ、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を読み解く力は、ビジネスパーソンにとって大きな武器になる。
ただ、簿記や会計の勉強をするだけでは、決算書からその企業の実情を知ることはできない。座学で学ぶ理論と実践の間には、どんなことでも大きな断絶がある。
『決算書の読み方 最強の教科書 決算情報からファクトを掴む技術』(ソシム刊)は、この断絶を乗り越えるべく、実践的な決算書の読み方を解説する。あらためて言うが、決算書からは本当にいろいろな事実がわかる。たとえば、倒産リスクが高い企業なども、決算書の読み方がわかれば明らかになってしまう。
会社が倒産する時は、ひとことで言えば「キャッシュが尽きた時」だ。売り上げが減っていようが、赤字になっていようが、手元のキャッシュに余裕があったり、銀行からの借入枠が十分に残っていれば、倒産する危険は少ない。
逆もしかり。損益計算書の利益が毎期黒字でも、手元資金が少なかったり、来年の借入金の返済負担が手元資金と比べて大きかったりする場合は倒産する可能性がある。
これを踏まえると、決算書に示される企業の倒産危険サインは
1.売上高・営業利益ともに大きく減少している場合
2.短期有利子負債が現預金残高と比較して大きい場合
3.営業利益と営業CFの乖離が大きい場合
4.多額の減損損失が計上されている場合
なのだそう。
もう少し詳しく見ていこう。
たとえば、株式上場したばかりの新興企業の中には、財務状況が赤字である会社も多い。これは、新興上場企業のなかにはSaaS型(Software as a Serviceの略。ソフトウェアをパッケージとして売るのではなく、ソフトウェアの機能をインターネットを通じたサービスとして提供する形態)のビジネスを展開する企業が多いことが関係している。