日本一有名なお経「般若心経」と日本一教徒の多い宗派「浄土真宗」

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日本一有名なお経「般若心経」と日本一教徒の多い宗派「浄土真宗」

「他力本願」という言葉は、誰であれ一度は耳にしたことがあるだろう。この言葉はしばしば「他人任せにする」という意味で用いられるが、本来は「阿弥陀如来の本願力」のことを指している。しかし、「他力本願」は仏教全体に共通する教えではない。

■日本一教徒の多い宗派「浄土真宗」の教え

「他力本願」を説いているのは、日本で一番教徒の多い浄土真宗だ。「帰命無量寿如来」から始まり「南無阿弥陀仏」と唱える正信偈(しょうしんげ)は、真宗門徒であれば聞き覚えがあるだろう。

正信偈に書かれていることは、「親鸞(宗祖)は阿弥陀如来に救われた。七高僧の教えを信じ、親鸞とともに救われようではないか」と、他力(阿弥陀如来の本願力)を信じることですべての人に幸せになってほしいという親鸞の願いとも言える。

■日本一有名なお経「般若心経」の教え

逆に、「自力で考えて煩悩を断ち切る」ことを説いているのが、日本で一番有名なお経とされる「般若心経」だ。

般若心経は、真言宗や天台宗など複数の宗派で読まれているが、仏教の普遍的な教えを伝えるために宗派を問わず読むことが多い。般若心経は本来600巻もの膨大な教えだったが、非常に簡潔にまとめるならば「真実を正しく見抜き、何事も自ら受け止め方を変えることで楽になれる」ということを説いている。


■対極に位置する二つの教え

般若心経は、救われるために阿弥陀如来のお力を信じるという浄土真宗の考え方とは対極に位置している。

筆者は浄土真宗の家で育ったため、正信偈を唱えることがあっても般若心経を唱えることは一度もなかった。般若心経の教えに心を救われながらも、浄土真宗の教徒だからと般若心経を唱えることを禁じられた人もいるという。では、なぜ同じ仏教であるのに全く違う考え方がでできてしまったのだろうか。

■大衆に受け入れられた浄土真宗

仏教には数多の法門があり、浄土系の宗派は浄土門、浄土系以外の宗派は聖堂門と呼ばれている。聖堂門は、簡潔に記すと「仏様になるために向かっていく」教えである。

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