最年少8段&二冠、藤井聡太はなぜ「神の一手」が打てるのか

| 日刊大衆
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 将棋界の歴史を塗り替え続ける天才が、またも偉業を成し遂げた。「初タイトルとなる『棋聖』を獲得し、最年少タイトル記録を更新した藤井聡太棋聖が、8月19~20日に行われた木村一基との王位戦第4局に勝利。初戦からの4連勝で、『王位』を獲得しました。史上最年少の二冠達成に加え、将棋連盟の規定により、八段への昇段も決定。こちらも、史上最年少です」(全国紙文化部記者)

 この王位戦では、第4局、藤井棋聖の42手目で、プロ棋士も驚く“神の一手”が炸裂した。本誌で詰将棋連載の佐藤義則九段に解説してもらおう。「ここで藤井さんに迫られた選択は、8六にある飛車の動き。飛車は重要な駒ですから、7~8割の棋士は取られないように逃げる選択をすると思います」

 だが、対局中、盤面を見つめる天才の手が止まった。「藤井さんはここで30分以上長考していました。まさか、と思いました」(前同)

 王位戦を中継した番組では、AIソフト『SHOGI AI』を使い、その場面で考えられる最善手を表示。そのとき、AIが導き出したのは、銀を取れるが、すぐに飛車が取られてしまう「8七同飛車成」。結局、このまま初日の終了時刻を迎え、藤井棋聖は42手目を「封じ手」(翌日の最初の一手を記し、封書に入れる)として、立会人に渡した。次の日、封が切られると、そこにあった手は8七同飛車成だった。「木村一基王位は、この飛車を取るために、かなり危ない指し方をしていました。飛車を取ったことで、形成が木村王位に傾くかと思われたんですが、結果として、その後の攻めで藤井さんが主導権を握る展開に移行していきました」(同)

 AIと同じ答えを導き出した、藤井二冠の驚くべき頭脳。「将棋AIというのは、万を超える評価項目から答えを出すマシンです。数式がないのに、答えが出る。だから棋士がAIを活用するには、どうして、その手が最善手なのかを自ら解析しなければ意味がありません。藤井二冠はふだんからAIソフトを重宝している。

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