脳に視覚情報を直接伝えるバイオニック・アイ image by:Monash University
つい先日、実業家のイーロン・マスク氏によって、脳に電極を移植することでさまざまな障害を治療するニューラリンク技術の進捗が発表された(関連記事)。
似たような電脳化技術を研究するグループは他にもある。オーストラリア・モナシュ大学の研究グループは、脳の電極を通じて視力を回復するバイオニック・アイを世界で初めて開発することに成功している。
・脳に電極を埋め込み視覚情報を脳に直接伝える
視力が失われる原因として多いのが視神経の損傷だ。このために網膜の信号を脳の視覚中枢に送信できなくなり、視力が失われる。
そこで「Gennaris」と呼ばれるバイオニック・ビジョンシステムは、傷ついた視神経をバイパスして、視覚情報を脳に直接伝えることを可能にした。
Gennarisは、メガネ付きのヘッドギアのようなデザインをしている。メガネの部分にはカメラが内蔵されており、これがとらえた画像データをスマートフォンくらいの大きさの情報処理ユニットで処理。これを脳内に移植された9×9ミリの電極アレイにワイヤレスで送信する。
image by:Monash University
電極アレイでは、髪の毛より細い電極がまるで剣山のように生えており、ここで信号を電気刺激に変換した上で神経細胞に伝える。これが視力を失った人に再び光を取り戻させるメカニズムだ。