呪われたアメジスト(別名デリー・パープル・サファイア)は、19世紀に間違ってサファイアだと思われていた。
この伝説の宝石は、3世紀もの間、ロンドンの大英自然史博物館にひっそりと所蔵されていたが、学芸員のピーター・タンディが箱からこの宝石を取り出したとき、その下に奇妙なメモが隠されているのに気がついた。
そのメモには恐ろしく不気味な話が書かれていた。以来この石は、ひどく呪われていると言われるようになった。ではその伝説を見ていこう。
・インドラ神殿から略奪されたアメジスト。持ち主に禍が降りかかる
1857年、大英帝国の支配下にあったインドの反乱が鎮圧された後、英軍は未来の反乱勢力を抑え込むために、数多くの神殿や寺院、宮殿を次々と略奪していった。神聖な場所を襲撃しては、古代インドの宝物をごっそり盗みまくったのだ。
略奪にあった寺院のひとつに、カウンポール(カーンプル)にあったインドラ神殿があった。ここは、ヒンデゥー教の戦いと嵐の神、インドラ神に捧げられた神殿で、この神は白いゾウの背に乗り、稲妻を手にしている。
ヒンデゥー教の戦いと嵐の神、インドラ神image credit:public domain/wikimedia
カウンポールが包囲されたとき、英軍のW.フェリス大佐が、インドラ神殿から紫サファイア(本当はアメジスト)を持ち去った。
この宝石があれば、自分の家系の財産は守られると信じてのことだった。