冬の足音が聞こえ始めた今日この頃。街の木々が色づき、感傷的な気分にもなるが、気温が下がると体には大きな負荷がかかることを忘れてはならない。
「寒くなると突然死のリスクが高まります。死を引き起こす血圧の乱高下による脳出血や、心臓発作などは、実は日々の生活習慣の中に潜んでいるので注意です」
こう語るのは、自身の血圧を30年以上測り続けている「ミスター血圧」こと、聖光ヶ丘病院顧問で医師の渡辺尚彦氏だ。ここから渡辺氏に、単身赴任中の会社員・Aさん(55)の“ある日”をモデルケースにして、「寒い季節の突然死」から身を守る習慣を伝授してもらおう(以下、発言は渡辺氏)。
〈朝7時/目覚ましの大きなアラーム音で、勢いよく飛び起きる〉
なにげない行動のように思うが、温かい布団から、いきなり出るのは危険。起床時は、なるべく時間をかけるのがポイントだ。
「朝は血圧が不安定になりやすい状態。一気に起き上がると、血圧や心拍の急激な上昇を招きます。起き上がる前に、布団の中で軽く運動し、段階的に血圧を上げましょう。腕を伸ばしたり、上げたりすると効果的です」
朝が苦手でも、目覚ましの音量は適度な大きさにすることも、意識したい。
「大音量はよくありません。驚いて血圧が上がり、不整脈を起こした人もいます」
〈昼12時/午前中の仕事を終え、我慢したオシッコをするため、トイレへ。一気に出す解放感を味わう〉
忙しいと、ついトイレを我慢しがちだが、これも極力やめたほうがいい。
「尿や便を我慢すると神経が緊張し、血圧が通常よりほど上がります。加えて急激な排泄で、今度は血圧が落ちる。これは危ないですよ。過度な我慢はせず、排便時は、いきんで出さないようにしましょう」
また、立ったままの姿勢での放尿も危険だという。
「そもそも、立つという行為自体が血圧を上げてしまいます。加えて、排尿の際に腹圧をかけるので、それも血圧の上昇原因です。