「手前味噌」とは、自分で自分を褒めることを意味しています。
意味を全く知らずに字面だけ見ると、「手前にある味噌がどうしてそんな意味に?」と思う人もいるかもしれませんね。
「手前」ってどういう意味? そもそもなぜ、「味噌」なのか? 褒めることと味噌と何の関係があるのか?
今回は「手前味噌」について調べてみましょう。
■「手前味噌」の意味
「手前味噌」を辞書で引くと、次のように載っています。
てまえみそ【手前味噌】 (自分の作った味噌を自慢する意) 自分の事を誇ること。自慢。手味噌。 (『広辞苑 第七版』岩波書店)
「手前味噌」とは、「手味噌」とも言い、自分の作った味噌を自慢することから、自分で自分のことを褒めたり、誇ったりすることを意味します。
■「手前味噌」の語源とは?
「手前味噌」でいう「手前」とは、「目の前、こちら側」という意味ではなく、「自分の手で行うこと」という意味です。
今でこそ味噌は店で売られていますが、かつてはそれぞれの家で作る物でした。
そして、自分で作った味噌(手前味噌)を並べて互いに自慢し合ったことから、自分で自分を褒めることを「手前味噌」と言うようになったのです。
■「手前味噌」の誤用例
「手前味噌」とは誇らしげに自慢することだと分かりました。
ここでは、「手前味噌」の間違った使用例を紹介します。
◇「手前」は「手近」という意味ではない
「手前」という言葉から、「身近にある」「簡単なもの」などが想像されるせいか、よくやってしまう間違いです。
前段でも述べた通り、「手前味噌」の「手前」は距離を示しているのではなく、「自分」のこと。
そのため、「手前味噌で恐縮ですが、このケーキ、頂き物なんです。よろしければ、おやつにでも」というような表現は、誤用です。