昨年9月に邦訳が出た『ライフスパン 老いなき世界』(東洋経済新報社)が、600ページ近い専門書にもかかわらず10万部を突破し、話題を呼んでいる。
ハーバード大学の遺伝子学教授で、老化のメカニズムの世界的権威であるデビッド・A・シンクレア氏らが、「老化は避けられないものではなく、治療できる病だ」として、50年後の平均寿命が、少なく見積もっても113歳になると主張しているからだ。
「医療技術の進化で10年は寿命が延びます。自分の体に気をつけることで5年、“長寿遺伝子”の活性化で8年、遺伝子の改変や老化細胞の除去で10年。先進国の平均寿命が約80歳ですから、寿命が33年延びて、113歳に達する計算です」(全国紙科学部記者)
本では長寿遺伝子を活性化させる方法が述べられているが、日常的に実践できるものはあるのだろうか。シンクレア氏の説をデータを基に検証しながら、医師らに長寿につながる習慣を紹介してもらった。
まず、食事は「お腹が空いたときに、時間を決めずに食べる」のがいい。『長生きするのはどっち?』(あさ出版)の著書がある秋津医院(東京都品川区)院長の秋津壽男氏が解説する。
「肥満の野生動物はいませんよね。彼らは空腹になるまで食べないからです。つまり“空腹感を覚えたときに食べ、お腹がいっぱいになったら箸を置く”のが大切なんです」
専門家は「一日3食、決まった時間に食べるべし」と言うことが多いが、これは間違いだという。必要以上にエネルギーを取れば肥満になって、がんなどの重大病につながる。加齢とともに基礎代謝は減るのだから、若い頃のように一日3食取っていいはずがない。
「実は、食事量は長寿遺伝子の活性化とも関係しているんです」(前出の秋津氏)
シンクレア氏は本の中で、寿命を延ばすためには「食事の量や回数を減らせ」と断言している。
「確かに、実験でマウスを飢餓状態にすると“サバイバル回路”が開き、サーチェイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化するそうです」(前同)
どうしても朝昼晩に食べたいなら、1食はご飯などの炭水化物を抜いて、摂取カロリーを抑えよう。