来るべき宇宙移住に向け、密閉空間の人工生態系「バイオスフィア2」で暮らす実験を行った科学者たち。その結末は?

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来るべき宇宙移住に向け、密閉空間の人工生態系「バイオスフィア2」で暮らす実験を行った科学者たち。その結末は?

バイオスフィア2/iStock

 新型コロナウイルスで世界がロックダウンを強いられるようになる30年近く前のこと、地球の生態系を完璧に再現した密閉空間に、自ら進んで自己隔離した者たちがいた。

 そこは、第二の生物圏を意味する「バイオスフィア2」と名付けられた砂漠の中にそびえ立つガラス張りの建物だ。

 実験は、2年交替で8名がバイオスフィア2に滞在することを100年繰り返す予定だったが、食糧不足や酸素不足などのトラブルに見舞われ、結局数年で終了することになったという。

・閉鎖された狭い生態系で人類は生存することが可能なのか?

 バイオスフィア2の始まりは、1960年代後半にハーバード大学の卒業生、ジョン・P・アレンという男が「シアター・オブ・オール・ポシビリティーズ」という劇団を結成したことから始まる。

 アレンはエネルギーとカリスマに溢れた男で、グループを通じて世界を変革することを夢見ていた。だが、何をすればいいのか分からない。そこで彼のモットー「やりながら学べ!」に従い、行動を開始した。

 1969年、ニューメキシコ州の砂漠にやってくると、自給自足の生活を営むべく「シナジア牧場」を開設。さらに船まで作り、数年間世界を巡りながら地球の生態系について学ぶ。

 やがてアレンたちは、その理解を自ら実験してみようと考えるようになった。

 もし地球以外の惑星に移住するとしたら、きっと地球と同じ環境を再現しなければならないはずだ。はたして閉鎖された狭い空間の中で人類は生存することができるのだろうか?

 これを知ることがバイオスフィア2建設の目的の1つだった。

 投資家から150億円の支援を受けて作られたバイオスフィア2は、ガラス張りの構造物で、世界各地から持ち込まれた動植物によって、熱帯雨林やサバンナ、海や湿地帯といったさまざまな環境が再現されていた。
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