なかなかおさまらない新型コロナウィルスの世界的大流行を受けて、これまでの日常が一変、生活スタイルや働き方が変わり、思い通りにいかない日々にイライラやモヤモヤした気持ちを募らせている人も多いだろう。
こんな状況では、誰もが不安と行き場のない怒りを抱え、ネガティブな思考に陥りがち。他人と比較して卑屈になったり、誰かを恨んだり、妬ましく思ったり、自分を許せなくなることもあるだろう。
そんな時に支えとなるのは、そういった呪いや縛りをはねのけるような「ことば」だ。
「自分が死ぬ時のことは分からんけど 生き様で後悔はしたくない」
(『呪術廻戦』1 巻 第 3 話「自分のために」より)
これは、大人気コミックス『呪術廻戦』(芥見下々作、集英社刊/『週刊少年ジャンプ』で連載中)の主人公・虎杖悠仁の言葉。呪術高専の学長との面接のシーンで、虎杖が呪術高専東京校の学長夜蛾正道に言ったセリフだ。
この言葉は、私たちに、自分の生き様について、ふと気づきを与えてくれる。
自分らしく生きているか。堂々と実直に生きているか。自分の人生を納得して生きているか。
このセリフの直前、「死んだ爺ちゃんの遺言に従って人助けをしたい」という理由で高専入学を志望している虎杖に対し、校長の夜蛾は不合格を下す。自らの意思ではなく、他人の指図で行動するような人間には、呪術師は務まらないと、一刀両断したのだ。
これにより虎杖は、自分の意思があいまいであることにハッと気づかされる。爺ちゃんに言われたから呪術師になりたいのか? それとも自らそうしたいと思っているのか? 夜蛾が差し向ける呪骸と戦いながら、虎杖は考えて考え抜いて、噓偽りのない自分の答えを導き出す。その答えがこのセリフだ。
人は誰もが、大切な人から願いや希望を伝えられると、その期待に応えたいと思うもの。ただし、それを言われたからやるのか、自らも望んでやるのかによって、行動の持つ意味合いや責任の所在が大きく変わってくる。