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宇宙に存在する恒星や惑星は、元をたどればどれも塵やガスの雲でしかなかった。そうした雲には生命には不可欠な有機分子も豊富に含まれている。温度が低いことや、化学的な組成の点で、有機分子が形成されるにはぴったりなのだ。
ところが雲が集まり始め一定の密度を超えると、崩壊して回転する円盤状の物質の集積体となり、やがてはその中から恒星や惑星が誕生する。
そうした崩壊プロセスを経て、新たに生まれた恒星は円盤を熱する。そのために有機分子は破壊されてしまう。だから円盤の中で惑星がつくられたとしても、そこに生命が誕生するための素材は乏しいはずだった。
ところが『Nature Astronomy』(5月10日付)に掲載された研究によると、複雑な有機分子であっても星々が形成されている円盤の熱に耐える場合があるのだという。
・はえ座KR星の周りの星周円盤で有機分子メタノールを検出
有機分子である「メタノール」が発見されたのは、地球から360光年離れた「はえ座KR星(HD 100546)」の周りにある熱を帯びた星周円盤においてだ。
はえ座KR星は、太陽よりも大きく、熱いとされる若い恒星で、1つないし2つの巨大ガス惑星が形成されているとされる。
メタノールはかなり低い温度でなければ形成されない。したがって、おそらくは今恒星を取り巻いている円盤の中で形成されたのではない。