税務上、非上場株式を譲渡する場合、いくらで譲渡するのかその金額が問題になります。税務の大前提として、取引は時価で行う必要があるとされているからです。この時価ですが、正確な金額は誰にも分かりませんので、割り切りとして、国税の通達で所定の評価方法が設けられています。
この評価方法は、相続税における非上場株式の評価額(相続税評価額)について、一定の調整を行った金額とされます。具体的な計算方法は複雑なのでここでは触れませんが、この国税の通達による方法で評価した金額で取引すれば、原則として税務上の問題は生じないことになります。
なお、この評価方法で計算される金額は、相続税評価額よりも大きな金額になることがほとんどです。
■個人間の譲渡は特別
しかし、個人間で譲渡する場合には、この金額ではなく、調整を行う前の相続税評価額で譲渡すれば、原則として問題にならないとされています。あくまでも、個人と法人の間、若しくは法人の間での譲渡について、相続税評価額を調整した金額で譲渡する必要があり、個人間はそれよりも安い金額であることが多い、相続税評価額で譲渡すれば、原則として問題は生じません。
この理由は、個人間の譲渡について問題が生じた場合、対象になる税金は所得税ではなく贈与税になるからです。
■低額譲受益と贈与税
個人間の譲渡について、その譲渡金額が時価に比して著しく低額の場合には、その時価と譲渡金額との差額について、買主に贈与税がかかるとされています。この取扱いを低額譲受益の贈与税課税といいますが、ここで課税される「時価」は、所定の財産を除き、原則として相続税評価額を意味します。
贈与税は相続税の補完税。このような話を聞いたことがあるかも知れません。贈与税がないと、生前贈与することで相続税の課税を逃れることができますので、生前贈与に贈与税を課すこととされている訳で、この点から相続税の補完税などと言われる訳です。
このため、贈与税の課税金額のベースと、相続税の課税金額のベースは同じになりますから、低額譲受益の贈与税課税についても、相続税評価額をベースに計算することで問題ないとされています。
個人間での譲渡において非上場株式はどのように評価するべきか元国税が解説
2021.12.08 19:00
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