将来安泰が一転!「このままではヤバい」と貯蓄に目覚めた女性の話

| 新刊JP
将来安泰が一転!「このままではヤバい」と貯蓄に目覚めた女性の話(*画像はイメージです)

どんな人であってもお金の悩みから逃れるのは難しい。
今お金に困っていなくても、いつか困るかもしれないし、老後のための資金だって必要だ。今の収入が増えるとは限らないし、いままでどおり働き続けられるかもわからない。

悲観的なことを考えだしたらきりがないが、何があっても持ちこたえられるように蓄えを作っておくに越したことはない。そして蓄えは収入の問題でもあるが、生活スタイルと考え方の問題でもある。

■「この会社にいれば安泰」が崩れた瞬間

『三千円の使いかた』(原田ひ香著、中央公論新社刊)は、物語を通してお金の知識と貯蓄術を教えてくれる短編集だ。

表題作では、中堅IT企業に勤めながら都内で一人暮らしをする二十代の美帆が、ふとしたことから当たり前のこととして考えていた自分の未来に不安を感じるようになる。親しかった会社の先輩社員・街絵が、ちょっとした病気をきっかけに簡単にリストラされてしまったのだ。

その先輩は40代で独身。実家住まいだったことから年長の男性社員から好奇の目で見られ、からかいの的になっていた。病気をして査定が下がったこと、実家が持ち家で比較的裕福だったこと。役職はなかったが長く勤めていて給料が高かったことなどがリストラの理由だった。

このあたりは誰にでも当てはまる部分があったり、いずれ当てはまりそうで身につまされるのだが、一方で美帆の会社の年長者たちはその自覚がなく、あろうことかリストラされたのは自業自得であるかのようにおもしろおかしく街絵を話のネタに。うんざりした美帆は彼氏の大樹に相談するが、大樹の態度も煮え切らないどころか、街絵をからかった人たちに理解を示す始末である。正月に帰省した実家も、いごこちが悪いものになっていた。

安定した仕事、彼氏、実家。
これまで自分がよりどころにしていたものが結局のところ自分の未来を保証してくれるものではないことに気づき、「これからどうやって生きるか」という問いに向き合うこととなった美帆がまっさきに考えたのが「お金」だった。

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