デキる社員は辞め「ぶら下がり社員」が増える 「病んだ組織」ができるまで

| 新刊JP
デキる社員は辞め「ぶら下がり社員」が増える 「病んだ組織」ができるまで(*画像はイメージです)

優秀な社員から辞め、会社に貢献する気も能力もない「ぶら下がり社員」ばかりが残る。
人手不足が慢性化する。
心身の不調を訴える社員が増える。
社員同士の人間関係が悪化し、悪口・陰口の類が飛び交うようになる。

見ての通り、これらはどれも「病んだ組織」の特徴である。
もちろん、「ぶら下がり社員」や心身の健康を崩す社員はどんな企業・組織にも何人かはいる。気に食わない同僚がいても、態度に出さず仕事に徹することができる人ばかりでもない。ただ、これらがあまりに増えすぎるのは、やはり業績を残す面でも、組織の継続の面でも障害になってくる。

■社員の「プラス感情」を引き出す施策がまちがっている理由

『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』(上村紀夫著、クロスメディア・パブリッシング刊)では産業医・経営コンサルタントの著者が、これまでに見てきた様々な企業と、そこで働く人々から「病む企業」の特徴を導き出し、対処法を伝えていく。

組織が病むメカニズムの根底にあるものとして、上村氏が指摘するのが「マイナス感情」の存在だ。これは社員がひそかに抱えている「あきらめ」や「逃げ」、「不安」「嫉妬」「おちこみ」といった感情を指す。

おそらく、企業側もマネジメントが機能していれば、どの社員がどんなマイナス感情を持っているかをある程度把握しているはずだ。ただ、そうした実態把握を踏まえて打ち出される施策は、社員が持つマイナス感情に寄り添うものではなく、「プラス感情」を生み出すためのものになりやすいのだという。たとえば、給与の額に不満を持つ社員が多ければ、全社員一律で昇給する、というのが典型的なパターンである。

マイナス感情を解消する施策より、何かを足す施策を導入するほうが手っ取り早く、かつ“時代の流れに乗れている感”を経営・人事層は持つことができる(本書P27より引用)

思えば、何かを足す施策の方が、今ある問題に正面から取り組んで改善するよりも容易だとはいえるかもしれない。

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