殺陣師、スタントコーディネーター、アクション監督……と、さまざまな呼ばれ方をしますが、僕の主な仕事は、映像作品において、闘ったり殴ったり蹴ったりするシーンの“動き”をつけることです。
時代劇の場合は、刀や弓、槍などを使った立ち回りと、馬術指導がメインとなりますし、現代モノはケンカなどの場面はもちろんのこと、役者さんが転ぶシーンでも現場に行くことがあります。
要するに、カッコよく迫力のあるアクションシーンを、安全かつスムーズに撮影するために、そのすべてを請け負う職業というわけです。
演じる俳優さんは、刀で何かを斬った経験はおろか、殴り合いだってほとんどの人がしたことがありません。ですから、初めてアクションをする俳優さんの場合には、まず立ち方からしっかりサポートします。そして、その俳優さんの身体能力やスキルを見ながら“ここまではできる”“これ以上は危険だ”と、つど判断しながら、監督の作りたい映像に近づけていきます。
今は、現在放送されているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に「殺陣武術指導」として参加しています。
主人公の北条義時を演じている小栗旬くんとは、ドラマ『花より男子』で出会い、その後、ヤンキー映画の『クローズZERO』でもガッツリ一緒に仕事をしています。