NHK大河『鎌倉殿の13人』殺陣師・辻井啓伺が語る小栗旬、山田孝之、木村拓哉、坂東彌十郎ら「俳優の真のすごさ」 (3/3ページ)
ドラマや映画での殺陣って“形”だけじゃなくて、演じながら“感情”で斬るわけです。僕らは、基本の動きは教えられますけど、その先は俳優さんの力なんです。
北条時政役の坂東彌十郎さんは歌舞伎界の大ベテラン。「映像は不慣れなので……」とおっしゃるんですが、もう立っているだけですごい! 敵を叩き斬るときなんて“これ、NHKで放送しちゃっていいの!?”と思うくらいの迫力です。
そんな人たちと出会うたびに思うんです。“僕は、殺陣はできるけど、スター俳優にはなれないな”って。殺陣がうまいとか、下手とかじゃなくて、持っているモノが違うとしか言いようがない。
僕は、18歳でジャパン・アクション・クラブに入団し、ずっとこの世界に身を置いてきました。
最近はCGやワイヤーアクションが入ってきて、アクション表現の幅が広がった。ただ、プラスアルファという意味ではいいのですが、僕は“継承”ということも大事にしたい。
アクションをやる若手はいるけど、時代殺陣ができる人材はどんどん減っています。だから、僕が育てていきたいんです。
変わらなくてはならない部分と、変わらない部分とがあると思います。僕はその変わらない部分を、これまでもこれからも、ただただ愚直に、やっていきたいと思っています。
辻井啓伺(つじい・けいじ)
1963年生まれ。ジャパン・アクション・クラブを経て、数多くの映画、ドラマで殺陣・アクションの指導を行う。スタントチーム・ゴクゥのメンバー。携わった主な作品は、映画『十三人の刺客』『土竜の唄』、ドラマ『精霊の守り人』シリーズ(NHK)、『信長協奏曲』(フジテレビ系)、『半沢直樹』(TBS系)など多数。