祭りは「祀る」を語源とし、イベントやフェス的な意味は含まれてない

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祭りは「祀る」を語源とし、イベントやフェス的な意味は含まれてない

「祭り」とはもとは「祀る」「祭る」が語源である。広辞苑によれば以下の通りだ。
(1)「供物・奏楽などをして、神霊を慰め、祈願する」
(2)「神としてあがめ、一定の場所に鎮め奉る。祭祀する
(3)「祈祷する」とある。また「祭り」は「まつること。祭祀。祭礼」

■日本三大祭の起源

日本三大祭は神田祭(東京)、祇園祭(京都)、天神祭(大阪)である。

神田祭は徳川家康の戦勝祈願がはじまりであるし、祇園祭は疫病を祓うよう祈ったのがはじまりであるし、天神祭は菅原道真が旅の無事を祈願したことにはじまっている。また、東北の祭りのように、感謝や慰霊の気持ちを込めて、神仏や祖先をまつる儀式である場合もある。

■祭りが土日に多い理由

どの祭りも神輿や山車や、人が集まることばかりに注目されるが、神社や寺ではきちんと儀式を行っている。近年は祭りを行う者が会社員であったりするために「平日だと仕事を休めない」という理由や、観光化され「土日でないと人が集まらない」という理由で、本来の祭りを行うべき日をずらし、土日に行っているところも多い。しかし、神社や寺では本来の儀式は本来の日時に行っていることがほとんどである。元々の祭りの意味が儀式にあり、人が大勢集まることではないのだから、当然といえば当然である。

■祭りの意味を再確認

祭りは五穀豊穣を願ったり、また豊作を祝い感謝する儀式であったり、疫病退散、天下泰平など、その地域、集落に密接に関わってきた。神道や仏教的な意味もあるが、もっと古い、人間が生きるうえでの根源的な祈りの行事で、宗教というより民間信仰的であると言える。

そういったことをすっかり忘れて、ただのイベントと化してしまっている祭りはただの「お祭り騒ぎ」であり、感謝や祈願といったこともない。すっかり祭りの季節になったが、元々の祭りの起源を調べたり、考えたりすることで、少しは日本のアイデンティティを保てるのではないだろうか。我々を3年に渡って悩ませ続けているcovid19の終息にも少しは役立つのではないだろうか。

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