北条泰時の菩提寺の常楽寺から大船切通し六国見山を抜けると、北鎌倉の明月院にたどり着きます。
そして、北鎌倉駅から、大船方面に向かって、北鎌倉隧道を歩いていくと、向かって右手のほうに少し小高い山のようなところがあり、そこには、八雲神社が鎮座しています。
鎌倉市内には4つの八雲神社がありますが、この八雲神社は、かつては「鎌倉祇園社」や「祇園天王社神社」などと呼ばれ、もともと「牛頭天王」として信仰されていました。神社に伝わる話によれば、永保年間、源義光が奥州へ向かうのに際し、鎌倉に疫病が流行している様子を見て、京都祇園社の祭神を勧請。それを祀ったのが始まりと伝わります。
一方で、室町時代にこの地に住んでいた上杉憲房が、武運長久を祈るために京都から勧請したとする伝承も残されています。
応永年間には、義光の子孫とされる佐竹氏の屋敷に祀られていた祠が合祀され、佐竹天王と称しました。
こちらの神社には、安倍晴明ゆかりの石があり、周辺には安倍晴明に関わる伝承が多く残されている地域でもあります。