社会生活には悩みがつきもの。人間関係の悩み、お金の悩み、健康の悩みなどなど、一つの悩みもない人はいないはず。それは大昔も今も変わらない。
そんな苦しむ人間に普遍的な教えを授けてくれるのが仏教だ。『日々抱える苦労の救済処置 おすくいぶっきょう』(幻冬舎刊)は、女子高生の華と僧侶の凡ちゃんの会話を通じて、仏教の教えをわかりやすく解説するコミック。
今回は著者の世良風那さんに、現代において仏教に触れることの意味についてお話をうかがった。その後編をお届けする。
――「いいことも悪いこともすべて自分に返ってくる」という感覚は、日本人は多くが持っている印象があります。ただ、「誰かにとってのいいことは、別の誰かにとっての悪いこと」ということも多々あるかと思います。このあたりの「善悪の判断」についてのお考えをお聞きしたいです。
世良:親鸞上人すら「何が良くて何が悪いのか、自分にはもうわからない」と言っておられるくらいですから、これも難しい問題です。
ただ、欲が絡んでくることなのではないかと思います。私欲絡みで行ったことは、本当の意味での「いい行い」ではないので、その時は良くてもいずれ悪い結果が返ってくる。一つ知っておいていただきたいのは、俗世間は欲にまみれているということです。だからこそ「誰かにとってのいいことは、別の誰かにとっての悪いこと」が生まれてくるんです。
――欲のお話が出ましたが、人間の持つ5つの欲は、なかなか切り離すことができない気がしましたが。私たちはこれらの欲とどう付き合っていけばいいのでしょうか。
世良:最初に言っておきますが、欲から切り離されることはできません。