6月11日、北海道を除き、梅雨入りした日本列島。ジメジメとしたイヤな天候が続き、寝苦しさを感じている人も多いことだろう。
「梅雨は熱帯夜が増えて寝室の気温が上がるのに加え、湿度も高い。この2つの要素で寝にくいんです」
こう話すのは、『思考と体がスッキリ!睡眠のしくみ』(成美堂出版)を監修した、医学博士で『雨晴クリニック』院長の坪田聡氏だ。
「人間は、体温が下がることで眠くなって睡眠に入り、体温が上がってくると目が覚める。でも梅雨は、気温が高いうえ、湿度も高いので、睡眠時に体温が下がりにくいんです」(前同)
ただでさえ寝苦しい時期だが、そもそも不眠は、季節だけの問題ではない。
「厚労省によれば、日本人の一般成人の30〜40%が、なんらかの不眠症状を抱えています。さらに、加齢とともに、その割合は増加し、60歳を超えると、およそ半数以上にもなります」(医療ジャーナリスト)
不眠症は、もはや国民病と言っても過言ではないのだ。では、なぜ加齢とともに眠れなくなるのか。
「質の高い睡眠を取る力、いわば“睡眠力”が衰えるからです。睡眠を促すホルモン『メラトニン』は脳から分泌されますが、その機能は10代をピークに徐々に衰え、50代で大きく低下する。その影響で眠りが浅くなり、睡眠時間も短くなるんです」(前出の坪田氏)
睡眠力の衰えた中高年には、寝苦しい梅雨が鬼門となるわけだ。しかし、そんな悪い環境下でも、行動次第で「良質な睡眠」を得ることは可能なのだという。
■生活習慣、寝室の環境、ストレスの3つを整えよう
「睡眠に大きな影響を与えるのは、生活習慣、寝室の環境、ストレスの3つ。これを整えることが重要なんです」(前同)
そこで今回は、坪田氏をはじめ“睡眠のプロ”協力のもと、「50歳からの快眠術」を紹介しよう。
まず、良い睡眠で大事なのは「朝の過ごし方」。意外だが、起きてすぐに、その日の眠りの良し悪しが決まるという。
睡眠環境プランナーで、日本睡眠学会正会員の三橋美穂氏が、こう解説する。