新型コロナウイルスの流行により、私たちの働き方は急激な変化を遂げました。毎日定時に出社することが当たり前ではなくなり、入社以来一度も会っていない同僚がいるなんていう話も珍しくなく、副業が許される企業も増えました。
しかし、様々な働き方が選択できるようになった一方、会社の規則や労働法でもカバーできない問題点も出てきました。これはOKなのか? NGなのか? そうした職場の労務にまつわるモヤモヤとした悩みを、社労士の村井真子さんが解説する『職場問題グレーゾーンのトリセツ』(アルク)より一部をご紹介します。
■内緒で副業をすることはできる?
【相談】会社に内緒で副業を始めたらしい同僚。バレないんでしょうか?
⇒【アドバイス】住民税が変動すればバレます。
副業が発覚するいちばん多いタイミングは、五月から六月頃です。理由は住民税の通知書がこの時期に届くからです。
「住民税」は、所得割と均等割で構成されています。所得割の部分は、前年所得に応じて計算されます。前年所得とは、年末調整や確定申告で決定された額です。副業で得た収入が20万円を超えると確定申告が必要になりますが、住民税は「年末調整で会社から申告されている所得」と「確定申告で申告された所得」との双方から徴収額を決定します。一般的に、会社員は給与天引きで住民税を納め、会社がまとめて納付するので、住民税の金額は会社も知ることができるのです。なお、住民税についての通知は、会社から労働者に渡すことになっています。
もちろん、副業をしていなくても住民税が変動することはあります。例えば、資産の贈与があったり、配当収入があるなどによって所得自体が増えた場合、また住宅ローン控除が終わるなど控除を受けられる範囲が少なくなった場合は住民税額が変動します。しかし、そうした事情を会社に知らせず、あまりに前年度と差があれば、副業を疑われるでしょう。
また、日々の勤務に支障が出て副業を疑われることもあります。遅刻や欠勤、勤務中のミスが増えると、会社としても副業の可能性を考え出します。