「おぐらが斬る!」犯罪が年々減少していたわけ

| リアルライブ
イラスト

2022年の刑法犯認知件数が、なんと20年ぶりに増加したという。これまでのアンケート調査でも「治安が悪くなった」回答が多く、これは20年間変わらない。

実際、治安は良くなっているのに「悪くなっている」と感じることを「体感治安」というが、犯罪が減り続けた20年間も人々はそう思い防犯に気をつけてきたから、犯罪が減ったとも言える。

また、殺人などの凶悪犯罪も年々減っているのだが、その原因の一つに、少子化の影響があるという。

そもそも昔から犯罪の主な担い手は10代20代の若者なのだ。少子高齢化で若者が減り、高齢者が増えれば、必然的に犯罪は減るというわけだ。

さて、戦後刑法犯認知件数がもっとも多かったは2002年前後である。いまから約20年前だが、この時期に日本の犯罪が増えたことについて、少し述べてみたい。

実は2002年前後の犯罪ピークのとき、殺人事件も増えていたのかというと、そんなことはない。殺人事件は1954年がもっとも多く、多少の増減はあるものの、戦後一貫して減り続けている。

ここで面白い推測ができる。もっとも暗数が少ないであろう殺人事件を正確に近い数値とすると。日本は1954年から年々、平和になっているのかも知れないということだ。

さて、2002年前後に犯罪がピークだったのは、その頃にいろいろな犯罪被害を警察に通報・相談する人が増えたからだ。

例えば40年前だと、ストーカーや児童虐待、DVで警察に通報・相談する人はあまりいなかった。社会的にいまほど問題視されていなかったからだ。

ストーカーは1999年、ストーカー行為を受けていた女子大生が殺される事件が起き、一気にその認知度が高まった。

児童虐待にしても、日本人が関心をしめすようになったのは90年代に入ってからだ。

つまりこれまで警察に相談も通報もされなかった事件が、警察に寄せられ認知されるようになったわけだ。

また警察庁も1999年に積極的に被害者相談に応ずるよう通達を出している。するとこれまで埋もれていた事件も認知されることになった。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会