日本史上、名前が伝わっている最古の画家は百済河成(くだらの かわなり)と言うそうです。
現存する作品はないものの、数々の伝説を残す名匠でした。
河成の描いた絵はまるで本物さながら。川を描けば水が流れ、せせらぎが聞こえんばかりだったと言います。
今回はそんな河成と、彼とライバルだった飛騨工(ひだのたくみ)のエピソードを紹介。
飛騨工も相当ハイレベルなアーティストだったそうですが、どんな闘い?を演じてくれるのでしょうか。
第1ラウンド・どの扉からも入れない!ある日のこと。飛騨工が河成を自宅に招きました。
「やぁ、今日はお招きありがとう」
「いやいや、こちらこそ来てくれてありがとう。君に是非とも見てほしい作品があってね」
「そうかい。それは楽しみだ」
飛騨工は平安京遷都の際、豊楽院(ぶがくいん)を造営。その名を天下に轟かせた建築家でもあります。
「して、作品はどこにあるんだい?」
「庭に小さな堂を建てて、その中に納めてある。もてなしの用意をしておくから、先に行って見ていてほしい」
「分かったよ」
さて、河成が庭に出ると、相変わらず見事にあつらえてありました。