推しの脱退、グループの方向性の変化、サービスの査収、作品の終了……。推しとのお別れはいつだって唐突。自身の生活や環境の変化で、推しが変わったり、一度“推し事”から距離を置かざるを得なくなったりすることもあるでしょう。
だけど、推しと一緒に過ごした時間や、あの頃の推しへの想い、そして推しからもらった愛は、紛れもなく本物。そう思うと、大切な推しグッズをどう処分していいか分からない、そもそも処分しづらい、といった声も。
そこで立ち上がったのは、東京・小平市で“人形供養”を行ってきたという葬儀社「メモリアルアートの大野屋」。2024年3月16日に行われたのは、持ち主と推し活を共に過ごしてきた仲間である推しのぬいぐるみやアクスタなどの“推し事グッズ”を供養する「ぬい供養祭」です。今回はその会場に赴き、供養祭の様子や、参加した女性たちの想いをレポートにしました。
■一緒に推し事してきた仲間に感謝を伝えて、お別れする「供養祭」
会場は、普段は家族葬会場として利用されているという「フューネラルリビング小平」。当日はこのように、表にも「ぬい供養祭」の文字が。
会場に入ってみると、すでに祭壇の上は参加者たちが持ち寄った思い出のぬいぐるみやアクスタ、フィギュアなどの推しグッズで埋め尽くされていました。中には、かなり小さな頃から連れ添ったであろう、年季の入ったぬいぐるみも。並んだ人形たちを見ているだけで、持ち主の方々が込めた想いが伝わってきます。
大野屋がこれまで行ってきた人形供養祭は日本人形の供養が中心で、高齢者の参列者が多かったそうですが、今回のぬい供養祭の参列者は若い女性がほとんど。
ぬいたちを供養するのは、法相宗大本山の奈良薬師寺の後藤信行師。読経を行い、参加者たちは焼香も行いました。1時間ほどの読経の後、参加者たちは推しぬいたちと「お別れ」することになります。
けれど「供養祭は、葬儀とは違う」と話してくれたのは、薬師寺の僧侶である後藤さん。
「ぬいぐるみは、私たちが生まれて初めて出会う友達であり、自分の子どものような存在でもあります。