懐古主義はカッコ悪いと知りつつも、やはり折にふれて、自分が青春時代を過ごした「昭和」を懐かしく思い返してしまう中高年は多いはず。昭和の世の中では「常識」だったことが、しばしば令和の世の中ではもはや廃れていたり、忘れ去られている。中には今から思い返すと滑稽だったりバカバカしいものもあるが、そんなものこそ愛おしいのである。
◾️令和の時代からは考えられない昭和の風習『昭和の僕らはバカでした - “小学46年生”に突き刺さる!「超ノスタルジックエッセイ」 -』(仲曽良ハミ著、ワニブックス刊)は、今ではすっかり遠ざかった「昭和」の思い出を呼び覚ましてくれるエッセイ。あの頃、毎日見ていたのに、今ではすっかり見ることがなくなったもの。今思い出すとどう考えてもダサいのに、当時は欲しくて仕方なかったもの。今では誰もしなくなった習慣などなど、町から、生活から消えた「昭和」が満載だ。
たとえば昭和の時代、ゲームのカセットはまだ、今のようにダウンロードするものではなく「モノ」であり、友達との貸し借りで紛失しないように名前を書いたものだった。
起動のさせ方はファミコンの本体にソフト(当時は「カセット」と呼んでいた)を刺すという方法。それだけに接触不良などでうまく画面が映らないケースがあり、そんな時は、ガシャガシャと乱暴にソフトを抜き差ししたり、端子部分に息をフーフーと吹きかけて埃を払ってから再度ソフトをセットしたりしていた。この「ファミコンカセットフーフー」は、今はもはや失われた「昭和」の象徴と言えるかもしれない。
◾️子どもたちは「スーパーカー自転車」に猛烈に憧れた「スーパーカー自転車」といっても、今の若い世代にはきっとわからない。ただ、昭和の子供たちはこれにこぞって乗りたがったもの。
自転車なのだが、スポーツカーのようなヘッドライトが付いていて、両脚の間にはこれまたスポーツカーのようなシフトレバーで操作する変速機が搭載されていた。スピードメーター付きのものもあり、これが当時の子どもにはとてつもなくカッコよく見えたのだが、今の子どもがどういう印象を持つのかも興味深い。