家でのスポーツ観戦を盛り上げる夏限定クラフトビール【20代最後の夏、何を飲む?】

| マイナビウーマン
家でのスポーツ観戦を盛り上げる夏限定クラフトビール【20代最後の夏、何を飲む?】

サキの悩みは「自我が無い」ことだ。そんな風にいうと10代から20代前半を想像するかもしれないが、今年の秋に30歳になる。

サキは人に合わせるのが得意だ。厳しい家庭で育ったせいか、周りの人が今何を考えていて、どんな言動が求められているかを考えるのが癖になっている。特に、気分の浮き沈みが激しい母親のことは機嫌を損ねないよう常にアンテナを張っていた。

だから、小学校高学年で過ごしたクラスで、「女子グループ」のようなものができてもサキはうまくやれていたし、中学、高校と成長しても、いつも一軍……とはいわずとも、1.5軍くらいの立ち位置をキープできていた。大学では大規模なイベントサークルに入ってそこそこ活動し、それを「ガクチカ」にして今の会社に入った。なんと無個性な人生……と心の中でよく自虐している。

仲間外れにされるのを執拗に恐れるサキは、「誰かと一緒」であるととても安心する。一人で外食なんてもっての外、買い物くらいだったら一人で行ける……と思っても、服やコスメなんかは結局いつも自分で決められなくて友だちに「これとこれ、どっちが良いと思う?」だなんてメッセージを送ってしまうのだ。

そんなサキだが、ここ数年で友だちがどんどん結婚や出産を経験し、いつでも会ってくれるような友だちが減ってきた。結婚する子、仕事をがんばっている子、推し活に勤しむ子……サキには周りのみんながキラキラまぶしい。みんなサキが知らないうちに、自分が何をしたいのかを自分で決めてそれぞれの道を歩んでいる。周りの様子を窺っている間に、分岐点で置いてけぼり。そんな気分だ。

仕事から一人で暮らす部屋に帰ると、孤独感が強まる。学生時代はメッセージアプリの通知を追いかけるのに必死だったり、友だちと通話しながら過ごしたりしていたが、ここ数年でスマートフォンがずいぶん静かになった。周囲の人間がSNSを更新する頻度も下がり、それぞれの人生に忙しいのだと感じる。サキは目的も無くスマートフォンばかり見ているというのに。

音が無いと寂しくて、見てもいないテレビをつけっぱなしにする癖も、一人暮らしを始めて以来約10年ほど変わらない。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会