「症状がなければ親知らずは抜かないでそのままにしましょう・・・」
このようにやりとりされたことがあるのではないでしょうか。かかりつけの歯科医院でそのように言われ、親知らずをそのまま残しているケースは多々見かけます。
では、症状がなければ親知らずを抜かなくてよい、という判断は正しいのでしょうか?
病的で症状がある親知らずは抜歯の必要性があることはコンセンサスが得られていますが、症状がない親知らずの抜歯については、医学的なコンセンサスが得られていません。つまり、症状のない親知らずの抜歯の必要性は歯科医師の裁量によるのです。
「抜いたほうが良い!」「抜かなくても良い!」という発言はどちらも正しいことになります。歯科医師が変われば意見が180度変わることも珍しくありません。一番困るのは患者さんです。「抜かなくていいのであれば抜かなくていいじゃないか」と思う患者さんは圧倒的に多く、抜かないで放置する人がたくさんいます。しかし、問題は抜かないで放置するリスクについての説明が明らかに不十分だということです。
親知らずの抜歯に慣れていない、外科処置のトレーニングを積んでいない歯科医師は、積極的に抜こうとせず、抜くことを勧めない場合が多いようです。しかし、抜かないと何が起こるかを説明されていないために、抜かないことが一般的な考え方として定着してしまうのです。
では、何を基準に親知らずを抜くか抜かないかを決めればよいのでしょうか。親知らずを抜くことのリスク(麻痺や腫れ、痛み)を説明できる歯科のスタッフは多いですが、親知らずを抜かないことのリスクについてはあまり語られません。抜くことのリスクばかりが先行して説明されているのが現状です。
ここで、抜かないことでどんなことが起こりうるのか、科学的根拠(医学論文)を踏まえて紹介したいと思います。
①親知らずのむし歯
・親知らずは17歳から24歳の間に出てくるため、25歳を過ぎると手前の歯(第二大臼歯)の親知らずに接するところのむし歯リスクが高くなります。
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