戦国時代を扱ったドラマを見ていると、甲冑を身につけた兵士たちが、二列に並んで行軍する場面がよく出てきますね。
あのようなシーンを見て、こう疑問に感じた人も多いと思います。
「戦場にいるわけでもないのに、彼らは本当に完全武装で行進していたのだろうか?」
『天元実記』という史料には、徳川家康が大坂冬の陣で豊臣家と戦ったとき、側近の本多正純が「そろそろ甲冑を着けさせましょうか」と家康にお伺いをたてたと記されています。
つまり、兵士たちはそれまで甲冑をつけずに平装だったというわけです。
しかも家康は、この提案を「まだ早い」といって却下しました。あまり早くから甲冑をつけさせると、兵士をくたびれさせてしまうからです。
結局、甲冑をギリギリまで身につけさせず、現在の大阪市住吉区に入ったあたりで、家康ははじめて甲冑をつけるように命じたといいます。大坂は敵地なので、さすがに完全武装が必要だったのでしょう。