江戸時代に成立した武士道バイブル『葉隠(はがくれ。葉隠聞書)』。
隠居した佐賀鍋島藩士・山本常朝(やまもと じょうちょう/つねとも)が語った内容を、同じく田代陣基(たしろ つらもと)が書き記したものです。
その内容は全十一巻にも及び、往時の武士たちがどのように生きたかを伝えるテキストとして、重要な役割を担っています。
第一巻の「武士道とは、死ぬ事と見つけたり……」というフレーズなどは有名ですが、第十一巻の最後に何が書かれていたか、知っている方はあまり多くないかも知れません。
そこで今回は『葉隠』最終巻の最終話を紹介。果たして山本常朝は、どんな教訓で物語を締めくくったのでしょうか。
『葉隠』最後の教訓と現代語訳一六九 天下國家を治むると云ふは、及ばざる事、大惣の事の様なれども、今天下の老中、御國の家老年寄中の仕事も、この庵にて咄し候事より外はこれなきものなり。これにて成程治めてやる事なり。結句あの衆は、心元なき事あり。國学知らず、邪正の吟味せず、生れつきの利發まかせにて、諸人這ひ廻り、おぢ畏れ、御尤もとばかり申すに付、自慢私欲出来るものにて候なりと。
享保元年丙申九月十日
※『葉隠聞書』巻十一より。