混雑している電車の中で、子供が泣き出してしまった......。
あやしても泣き止まず、周りの人たちはウンザリ。申し訳なくて、顔も上げられない。
長野県在住の40代女性・Iさんはその日、そんな状況に陥った母親の隣に座っていた。
<Iさんからのおたより>
もう10年以上前、東京で単身赴任していた夫の元へ、息子と一緒に遊びに行ったときのことです。
その時は夏休みと言う事もあり、小学2年生の息子に合わせたバスツアーに参加。夕方にツアーが終わり、夫の住む街まで帰る頃には帰宅時間と重なり、電車内は徐々に混みはじめます。
暑い車内に一時間近く乗っていました。隣には2歳くらいの女の子を膝の上に乗せたお母さんだったのですが、だんだんと女の子の機嫌が悪くなってきて......。
息子が「いてっ」と驚く顔をしてそのうちに、ぐずぐずした声をあげる女の子。一生懸命にゆすったり気分を変えようとしたり、必死の母親。混雑の上に暑さと、女の子のグズり声も加わり、仕事帰りの周りの乗客のうんざりした顔に、母親は顔もあげられなくなっている様子です。
その時、女の子が隣にいた息子のTシャツのバッジに興味を示し、手を伸ばして引っ張りました。すると息子が「いてっ」と目を開いて驚く顔をしたのです。
その動作にグズっていた女の子がケタケタと笑い出しました。
その笑いが収まると、女の子はまた息子のバッチに手を伸ばします。また「いてっ」と同じ顔をする息子、ケタケタ笑う女の子。
ヨシ! 周りの乗客も少しは気分がほぐれてきた様子です。