ぎゅうぎゅう詰めの通勤列車では、座る席どころか掴まる場所もない。
妊娠中の彼女はそんな状況を、一生懸命耐えていた。
すると、乗り合わせたおばあさんに声をかけられて......。
東京都在住の30代女性(投稿時)、Jさんの体験談。
<Jさんからのおたより>
2010年ごろ、妊娠中の私は毎日湘南新宿ラインに乗り通勤していました。
当時は本当に混んでいて、悪阻もあった私はほとんど一駅ごとに降りては乗ってを繰り返し、いつもの何倍もの時間をかけ通勤していました。
その日も車内はとても混んでいて、掴まるところもなく、ただただ早く駅に着いてくれと願いながら乗っていました。
「誰も譲ってくれないなんて」すると、ご年配の女性に声をかけられました。
「妊婦さんなのに誰も譲ってくれないなんてひどいねー!辛いでしょうに!」
でも私は、当初妊婦マークが世論で騒がれていたこともあり、肩身が狭いやら恥ずかしいやらで、そんな大きな声でしゃべらないでーー!と思っていました。
しかし、そのおばあさまは色々なお話をしてくださり、気がつくと体調の悪さは少し軽減されていました。
そうこうしているうちに、おばあさまがいきなり私の腕を掴みました。
「この先、揺れるからしっかり私に掴まりなさい!あ、あんたは私の服を握ってなさい」
見ると横にはお孫さんでしょうか? 小さな女の子が。おばあさまはお孫さんの手に自分の服へと掴ませ、私の手を取り、揺れる車内の中で私たち二人を守ってくれました。
女の子もおばあさまもニコニコしています。私も気付けば心の底から温かい気持ちになりました。
降車する時にお礼は言えたものの、ずっと忘れられない出来事です。