年々進歩し続ける遺伝子工学が、遂に究極の領域に突入しようとしている。
アメリカのサンフランシスコに本社を構えるCambrian Genomics社は現在、3Dレーザー光で遺伝子情報を出力する「DNAプリンタ」の研究に着手している。創設者のオースティン・ハインツ氏(31歳)によれば、将来的にはこのテクノロジーにより顧客が自由に遺伝子を書き換えて好きな動植物を創造できるようになるという。誰もが「神」になれる時代の到来に、ネット上では賛否の声が巻き起こっている。
DNA、すなわちデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)とは、アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)、シトシン(C)の4種類から構成される物質であり、生物の肉体を形成するタンパク質の設計図的役割を担っている。人間の親から人間の子供が生まれてくるのは、DNAの複製によって遺伝情報が継承されるからだ。
この原理を応用すれば、遺伝情報に外部から手を加えることで生まれてくる生物の特質をある程度コントロールすることも可能だ。事実、Cambrian Genomicsはホタルの発光遺伝子を植物に組み込み、「光る植物」を開発した。自己発光する植物を農業の分野に導入すれば、大幅な省エネが可能となる。世界中の投資家から多くの期待が寄せられている画期的な技術だ。
シリコンバレーで公開されたデモンストレーションイベントにて、オースティン氏はさらに驚くべき展望を語った。将来的には、わずか数ドルという低予算で顧客がコンピュータ上でDNAの書き換えを行い、この世に存在しない生物をもデザインできる社会を目指しているというのだ。
このテクノロジーが確立すれば、斬新な色合いの植物や糞尿が臭くないペットなど人間にとって都合の良い動植物を自由に生み出すことができる。さらには、子供の先天性の病気を遺伝子操作で治療することも可能になる。
「水爆は地球を破滅に追いやるほど破壊的な科学技術だが、我々のテクノロジーは極めて創造的だ。