母の元同僚が亡くなったときのことである。彼女は運転好きが高じてタクシーの運転手に転職した。その日彼女は仕事終わりに飲食店で夕食をとった。そしてどうやらその場で居眠りをしてしまい、そのまま息を引き取ったようである。店の座席で、2時間近く変わらない体勢のまま動かない客(元同僚)を気にした店員が声を掛けたところ、その客は息をしておらず、ようやく眠っているのではないことに気付いたそうである。
■家族以外が多く参列した彼女の葬儀
彼女には私も面識があり、母共々親しくしていた。当然葬儀には私も参加した。その葬儀ではタクシー会社の同僚や先輩がまるで親族のように泣いていた。彼女が、生前会社でどのような人物であったかがなんとなく感じられた。
葬儀で親族のように泣いていた人々は他にもいた。その人たちはボランティアグループの人々だったらしい。彼女は生前ボランティアグループに所属していた。あとで母からきいたところによると、ボランティアグループのなかには通夜から駆けつけた人もいたそうだ。突然の葬儀に、しかも通夜のときから同じボランティアグループの人々が駆け付けたのだ。これは故人がよほど熱心にボランティアに参加していたことの証だろう。また、周囲から好かれる人物であったのだろう。多方面で他人と良い関係を築くのが上手だったのかもしれない。
母によると、たしかに彼女は自身がボランティア活動を行ってはいたが、母をボランティアに参加するよう誘ってきたりもせず、その話自体をほとんどしなかったそうである。そういえば私も、彼女からボランティアへの勧誘を受けたことはなかった。彼女が休日にボランティア活動に参加した話をたまに聞いたくらいだ。彼女は、ボランティアをしていない私たちと会うときは、ボランティア以外の共通の話題で楽しもうとしたのかもしれない。おそらく母は彼女のそのあたりの人柄を信頼し、親しくしていたのだろう。葬儀のときには故人の多方面での人柄がしのばれるものなのだなと思った。
■家族以外で参列していただくような方がいない場合は家族葬
家族葬を選んだ私の父方の祖母の葬儀のときには、祖母の多方面での人柄はわからなかった。家族葬には文字通り家族しか来ないからだ。
晩年に社会との関わりが多くなく、高齢の方ほど家族葬が向いているかもしれません。
2015.02.04 19:00
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心に残る家族葬
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