前回、売上を計上するタイミングについて解説しましたが、売上に関しては、もう一つ押さえておきたいポイントがあります。それは、売上と原価は個別対応させる、ということです。
商品販売においては、商品を仕入れた上で販売します。この仕入は売上に対する原価になり、原価は法人税の経費になります。しかし、原価が経費になるタイミングは、商品を売り上げた段階となり、売上が計上されて初めて原価も経費になるのです。
このため、売ってもいない商品の仕入れについては、お金は出ていくものの、法人税の経費とすることはできません。
■期ずれという問題
売上と原価は個別に対応させる、というのは税の常識ですが、税務調査の際、この常識を守っている会社は決して多くはありません。売上の計上がないのに、原価だけ経費になっている、というミスを期ずれといいますが、税理士がチェックしているのに、期ずれは税務調査でほぼ100%指摘されています。
元調査官として申し上げますが、基本的に税理士は期ずれという間違いを防ぐことはできません。
■税理士実務と期ずれ
税理士は会社の決算や申告書を作成しますが、原則として売上と原価を個別に対応させる、といった処理を行いません。一つひとつ対応させるとなると、相当のコストと手間がかかりますので、割に合わないからです。
加えて、期ずれは、税務調査の間違いの中でそれほど重大なミスではないと考えられています。例えば、前期の売上を今期に計上したために、前期の法人税が小さかった、となった場合、前期の売上は当初よりも大きくなるものの。その分今期の売上が小さくなります。このため、期ずれのためいったん税金は取られるものの、後日取り返せるという考えの税理士が非常に多いのです。
このため、期ずれは税理士に頼んでも基本的にはブロックできず、税務調査が実施されるたびに税務署から問題視される、という悪循環になっています。
■一歩進んで
このあたり、税務署も十分に理解しており、確実な期ずれを取って税金の追徴ができると安心してから、本丸の問題点を攻めようと考えています。
仮に、期ずれを100%ガードできていれば、「この会社は税金を取りづらいな。」と身構えるのが調査官の常です。事実、期ずれをガードしている会社は、調査官は税金を取りにくいしっかりした会社と評価しています。
税務調査が怖い、という会社であればあるほど、この点しっかりしておくと、非常に有効な税務調査対策ができるのです。
売上と原価の期ずれ対策をしっかりしている税理士は信頼できる!あなたの会社の税理士はどうですか?
2015.03.22 19:00
|
相談LINE
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
地域産品は「物語」で価格競争を抜け出せるか、500件超の商談から見えた地方ECの課題
TREND NEWS CASTER
2
スマホ時代に見直される「眼鏡の選び方」、度数だけでは解消できない目の負担とは
TREND NEWS CASTER
3
人的資本開示、進んだはずが現場は「手作業」 上場企業の7割が直面する意外な壁
TREND NEWS CASTER
4
資材高と職人不足で揺れる住宅市場、地場工務店は生き残れるか
TREND NEWS CASTER
5
年間56万トンのアパレル廃棄と女性の副業ニーズをつなぐ、「Re:che」が挑む循環型ビジネスの持続性
TREND NEWS CASTER
6
猛暑でもファン付き作業服が使えない…「防爆エリア」の知られざる熱中症リスク
TREND NEWS CASTER
7
「西洋医学×漢方×手相」という異色アプローチ 標準治療では救いきれない患者と”科学的根拠”の境界線
TREND NEWS CASTER
8
「個人が変わっても組織が変わらない」のはなぜか? エグゼクティブ・コーチングの盲点を突く「社長+幹部一体型」の勝算
TREND NEWS CASTER
9
なぜビル清掃予算は「30〜55%」も消えるのか?多重下請け構造の限界 ――多重構造の無駄を省いた「科学的清掃」の勝算
TREND NEWS CASTER
10
「受診者が最大3倍に」150円の自己負担でも断る人が皆無だった理由 ――がん検診の「心理的ハードル」を下げる環境整備
TREND NEWS CASTER