法務省は3月、今年1月1日現在で日本国内にいる外国人の不法残留者が6万7人で、前年と比べ946人(1.6%)増えたと発表した。不法残留者の数は1993年をピークに一貫して減少しており、増加は22年ぶりのことだ。
その原因は、失踪する外国人技能実習生が前年に比べ千人以上も増えたことにある。
外国人技能実習生の一部(というよりは相当数)が、劣悪な労働環境にあることは以前から指摘されてきた。
米国務省の2014年版「人身取引報告書」に掲載された、茨城県で働く技能実習生たちの写真。同報告書は日本で働く外国人技能実習生について「多くは非熟練労働者として働き過酷な労働条件や強制労働の犠牲になりやすい」と指摘している
たとえば、米国務省の2014年版「人身取引報告書」は、日本で働く外国人技能実習生について「多くは非熟練労働者として働き過酷な労働条件や強制労働の犠牲になりやすい」と指摘。茨城県で働く技能実習生たちの写真も添えている。
そして現実にも、農業実習生として来日したベトナム人男性が生活に困窮したあげく、ヤギを盗んで食べるなどの事件が続発している。
しかし、こうした現象の背景に、霞が関の「天下り団体」と中国共産党の利権組織が、何も知らない労働者をキャッチボールして食い物にする構図のあることは、ほとんど知られていない。
かくいう筆者も、このほど「ルポ 外国人『隷属』労働者」(「G2」vol.17)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したジャーナリスト、安田浩一さんをインタビューして見て初めて知ったことだ。そのあまりに露骨なやり方には、呆れるしかない。
外国人技能実習制度は、法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通の五省の天下り団体である「JITCO(国際研修協力機構)」が、日本国内での労働環境などを監督することになっている。しかし実質的には何もしておらず、一部企業のやりたい放題を黙認する形で、搾取構造を助長しているのだ。
そして、そこに田舎の若者を送り込んでいるのが、中国共産党幹部らの利権組織とも言える人材輸出学校だ。