アトピー性皮膚炎に悩まされているひとが身近にひとりくらいはいるのではないだろうか? 決定的な治療法がないばかりでなく、見た目も変わってしまう疾患なので苦労やストレスも大きそうだ。
アトピー性皮膚炎はこれまで原因が解明されていなかった。しかし、慶應大学と米国National Institutes of Healthの研究グループが、アトピー性皮膚炎が黄色ブドウ球菌などによって引き起こされることを解明した。
■ 皮膚表面には多様な細菌が住む
アトピー性皮膚炎は以前からアレルギー性の疾患であることは予想されていた。しかし、実際には生体がなにに反応して皮膚炎を起こしているのかは不明で、アレルゲンも特定されていなかったという。
血液検査をしたときにダニやホコリに対する抗体が検出されることから、それらが原因であるとも考えられているが、それを支持する強い基礎および臨床的な証拠はないという。
しかし、アトピー性皮膚炎患者の皮膚から細菌培養を行うと、黄色ブドウ球菌が多数発育することが40年以上も前から知られてはいた。それが炎症の原因なのか、慢性炎症の結果なのかはずっと議論されていたそうだ。
なお、最近の研究によって、人間の皮膚表面には非常に多種多様の細菌が住んでいることがわかってきた。腸内細菌の豊富さは少し前から注目されているが、皮膚表面の細菌社会の多様性は腸内をしのぐとされている。
■ 皮膚炎の原因は細菌バランスの崩れ
今回、同研究チームは、ある酵素をマウスの皮膚から欠損させることでアトピー性皮膚炎のマウスを作成し、そのマウスに抗生物質の治療を行ったり、抗生物質の治療を止めたり、黄色ブドウ球菌等を接種するなどの実験を行った。