化石燃料ってなんなんだろう? エネルギー問題にかかわる最新の研究を見ていると少し認識が変わってくる。水と二酸化炭素から酸素と燃料を作ることができれば、化石燃料でさえサステイナブル・エネルギーだといえる気がしてくるからだ。
もし大規模な光合成が可能になれば、地球環境問題へのアプローチは、また大きく変わるかもしれない。そんな研究をバークレー国立研究所の研究者らが発表した。
■ 人工光合成でアセテートを作りだす
ローレンス・バークレー国立研究所とカリフォルニア大学バークレー校の科学者たちが発表したのは、二酸化炭素を回収し、太陽エネルギーを使って、生分解性のプラスティックや調剤薬や液体燃料を作りだしてしまうというシステムだ。
人工光合成にあたるこのシステムの、根本的な考えかたそのものは特に新しくもないといえるだろう。問題はその方法や効率である。
このシステムでは、半導体のナノワイヤーとバクテリアを使って人工光合成を行う。しかし植物の光合成とちがうところは、二酸化炭素と水から炭水化物を作りだすのではなく、アセテートを作りだすという点だ。アセテートは、現代の生合成でもっともよく使われる材料である。
■ 材料化学と生物学の融合
このシステムは材料化学と生物学を融合させた技術が使われているという。“ナノワイヤーの森”には『Sporomusa ovata』という二酸化炭素を還元する酵素を作りだす嫌酸素性のバクテリアを棲みつかせる。ナノワイヤーの列が嫌酸素性のバクテリアを守るので、排気管ガスの中でもバクテリアは生き延びることができる。
筆者もこの分野の専門ではないので完全には理解できていないが、以下のような反応が起こるらしい。
太陽の光を吸収すると、シリコンと酸化チタンのナノワイヤーに光励起によって電子と正孔が形成され、別のスペクトルの太陽光を吸収する。