格安風俗店のサツキvol.3 彼女は幽霊になって戻ってきたのか?
ある女性編集者が、ハードなサービスだけが売り物の格安風俗店を取材した。そこでは可愛いとされ、人気のあったサツキ。しかし、突然いなくなってしまった。この世界では珍しいことではないけれど、と話してくれた店長はずっと苦笑していた。
サツキが彼氏とのツーショット写真といいながら見せる写真には、必ず母親くらいの年齢の女性も写りこんでいる。なのにサツキは、そんな女見えない、いないという。
心霊写真などではなく、完全に生きている女だったと店長はいう。
「あ、そうだ。一度サツキが、写真を添付して送ってきたことがありました」
思い出した店長はその写真を探し出し、女性編集者に見せてくれた。いかにも今どきのギャルと同世代のチャラそうな男、そして……二人の間には確かに、彼らの親くらいの年齢の女性が写りこんでいた。
サツキと彼氏は今どきの若い子の格好だが、間の中年女性はひどく地味で化粧っ気もなく、もしかしたらこちらが思うよりずっと若いのかもしれないと感じた。
女性編集者は、何か中年女性に不吉な影のようなものを見て寒気がした。さわやかな五月の風すら、生臭く感じられるほどに。
それからしばらくして、また女性編集者は店長に会った。サツキはその後も戻る気配はないという。そして、面接を受けに来て履歴書を書く女性の中に、「霊が見える」に○をつけるのがやたらに増えた、ともいう。
しかもその女性たちは、店の中にも霊がいるという。
「どんな幽霊かと聞いたら、サツキの特徴をいうんです。あの子は死んで店に戻ってきたのか。僕には見えませんが。