この棒はなんなんだ? これで発電する? 風車はいらない? どういうことなんだ?
■ 揺れる風力発電装置
小説『ドン・キホーテ』でも知られる風車で有名な国スペインで、風車にとってかわる風力発電の装置が登場した。どういうものかというと……棒である。先が太い。可動部分は……ない。だから、摩擦もないし、潤滑する必要もないし、さらには消耗部品を交換する必要もないという。でも、どうやって発電するのか?
『Vortex』と名づけられたこの風力発電装置、1940年に、タコマナローズ橋が強風で崩壊した事故にヒントを得ているという。風が橋を振動させ、その振動を増幅させてついには橋を崩落させてしまったのだ。つまり、風がそれほどのエネルギーを橋に与えたわけである。
その現象が、風のエネルギーを活用するのに効率がいいと考えたエンジニアたちは、風によって振動する棒を発電に使うことを考えた。
風車は回転運動を電力に変えるわけだが、このシステムでは振動を電力に変える。この“いったりきたり”という動きは、交流の発電により適しているという。もちろんギアやベアリングを使わないので、摩擦による損失は少ないし、交換しなければいけない消耗部品もない。
通常の構造物であれば、振動する周波数というのは決まっているが、この『Vortex』は風が強くなれば内蔵する磁石の磁力も強まって減衰作用が働き、自身の振動数を自動的に調整する機能を持っているので、幅広い風速に対応して最大限の発電ができるという。
■ コストを大幅に下げられる
この『Vortex』は、風車に比べて製造コストは53%、運用コストは51%、メンテナンスコストは80%削減できるという。それによって発電費用は40%下げることができ、カーボン・フットプリントも40%下げることができると試算されている。
最初に作った試作品は、小型のもので、高さ3m。
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